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本物のマルセイユ石鹸の作り方 本物のマルセイユ石鹸の作り方

本物のマルセイユ石鹸の作り方

世界中で愛されるマルセイユ石鹸(Savon de Marseille)
その歴史は中世までさかのぼり、今もなお南仏プロヴァンスの象徴として受け継がれています。La Corvette(ラ・コルベット)を運営するサボネリー・デュ・ミディは、フランスに残る数少ない伝統的な石鹸工場のひとつ。ここでは、100年以上続く釜焚き製法による「本物のマルセイユ石鹸」づくりの秘密をご紹介します。

 

厳選された4つの天然原料

マルセイユでの石鹸づくりは中世から行われ、17世紀には王政によって品質基準が設けられました。1688年、国務長官コルベールによる勅令で、マルセイユ石鹸に使用できる原料が4つに限定されます。

・純粋なオリーブオイル(石鹸のベースとなる油脂)

・ソーダ(苛性ソーダ):石鹸のアルカリ性(pH約10)を生み出す成分

・水:けん化と洗浄の各工程に必要

・塩:不純物を除去するための工程で使用

動物性脂肪の使用は禁止されており、17世紀の時点ですでにヴィーガン製法でした。
のちに経済情勢に応じて、オリーブオイルの代替としてパーム油・ピーナッツ油・ココナッツ油・ゴマ油も使われるようになります。La Corvetteのマルセイユ石鹸は、この伝統を忠実に守りながら、72%以上の植物油を使用しています。

 

マルセイユ石鹸の製造工程(5つのステップ)

けん化(L'EMPATAGE)|油脂とソーダを混ぜる

植物油を釜に入れ、ソーダ溶液を加えて高温で加熱。沸騰によって乳化が起こり、けん化反応が始まります。この温度と時間の管理こそ、熟練職人の経験による“職人技”です。

塩析(LE RELARGAGE)|塩で不純物を分離

石鹸は塩水に溶けないため、釜に海塩を加えることで余分なソーダや不純物を下に沈めます。上層に残った石鹸分が本体となり、これを丁寧にすくい取ります。

煮込み(LA CUISSON)|釜焚きでじっくり熟成

120℃前後の中温で数日間かけてゆっくり加熱。この工程で植物油が完全に石鹸へと変化します。La Corvetteの職人たちは、代々受け継がれた“温度と時間”の秘密を守りながら、常に均一で高品質なマルセイユ石鹸を生み出しています。

洗浄(LE LAVAGE)|石鹸を洗う

釜焚き後の石鹸を何度も洗い、グリセリン・不けん化脂肪酸・不純物を丁寧に取り除きます。ごく微量に残るグリセリンは、植物油のけん化過程で自然に生まれるもので、保湿成分として肌にやさしい働きをします。

精製(LA LIQUIDATION)|“エクストラピュア”への仕上げ

最後に純水で洗浄し、石鹸を滑らかで均一な状態へ。
これにより、透明感のある**“エクストラピュア(超純粋)”**な石鹸が完成します。

 

乾燥・刻印・仕上げ

湿った状態の石鹸をゆっくり乾燥させて硬化させ、固形になったものをキューブ・バー・スライスなどの形にカットします。その後、La Corvetteの**刻印(スタンプ)**を押し、品質と産地の証として出荷されます。

マルセイユ石鹸博物館で伝統を体感

La Corvetteでは、この伝統的な製法を後世に伝えるため、自社工場内に**マルセイユ石鹸博物館(Musée du Savon de Marseille)**を設立しています。実際の釜焚きや乾燥・刻印の様子を見学でき、石鹸づくりの歴史と情熱を肌で感じられる特別な場所です。

La Corvette マルセイユ石鹸博物館 館内展示 300年以上続く釜焚き製法の歴史を伝える フランス・マルセイユ

La Corvetteのマルセイユ石鹸は、100%植物由来・伝統的釜焚き製法
何世紀にもわたる職人の技と自然の恵みが、今も息づいています。
毎日の暮らしに、本物のやさしさを。

 

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